原発性リンパ浮腫-Hennekam症候群(HKLLS)と向き合う
原発性リンパ浮腫は様々な原因により発症します。先天性リンパ浮腫の場合、人間の身体にある2万を超える遺伝子が複雑に関与しているため、その原因を見極め診断することは大変難しく、高度な専門的知識が必要となります。また患者さんや親御さんにとっては、適切な治療・ケアを受けられる専門医やセラピストを見つけることも難しいという現状があります。
ただし、症例数が少ない疾患であっても専門的な知識を持った医師やセラピストに出会うことによって、完治は出来なくても患者さんの成長をできる限り阻害せず、QOLを維持した毎日を送ることができる可能性が高まります。
当サイトでは、そのような原発性リンパ浮腫とたたかう患者様のご家族へインタビューした内容について、ご家族の了承のもとで、掲載したいと思います。第1回目となる今回のストーリーは、ほとんど生まれた直後から原発性リンパ浮腫とたたかう小林さん(仮名)のお母様にご協力いただき、圧迫療法を続けて行く上での様々なお話をお伺いすることができました。
(※個人情報保護のため、お名前は仮名とさせていただきます。ご了承ください。)
お子さんが原発性リンパ浮腫と診断されたのはいつですか?
お腹にいる時からエコー検査で頭や全身にむくみがあると指摘され、一時期はダウン症を疑われたこともあります。結局、ダウン症ではなく、生まれた時から全身にむくみがあったので原発性リンパ浮腫と診断され、治療が始まりました。
小児科の先生から原発性リンパ浮腫と診断された後でリンパ浮腫セラピストを紹介されたのですね?
生まれた時から心臓にも疾患があって、入院している時にセラピストさんが病棟に来てくれました。4か月間入院している間から今も継続してケアをしてもらっています。
今、色々な治療やケアを受けておられる中で医師やセラピストから様々な情報を教えてもらっていると思いますが、それ以外にリンパ浮腫に関する情報はどこから、どのように集めておられますか?
包帯を巻いているので、ネットで包帯の巻き方を調べて動画を見て勉強したりしています。 包帯以外の製品も色々調べて「これは使っていいのか?」と考えながら見ています。色んな製品がありますし、ネットに書いている人も色々なので「この情報どうなのかなぁ。」と思ったりします。 あとは、夜の圧迫は何かした方がいいのかな?とかも調べたりしています。
むくみのケアをする上で大変なことや気を付けておられることはありますか?
ストッキングやスリーブを着ける時、最近やっと逃げなくなりました。最初は履きたくないので逃げ回っていました。今も、夏場は暑いので着けたくないようです。 ストッキングは何とか着けてくれています。でも、両方の手にスリーブを着けなければならず、動かし難いのでかなり嫌がりますね。
お母様がメインでケアをなさっていると思いますが、ご家族や周りの方々からのサポートはありますか?
春から幼稚園に上がるので、園長先生には相談しました。春になって担任の先生が決まってから改めてご相談しようと思っています。
インタビューを終えて(メディ・スタッフから)
お家の外での活動が増えると弾性着衣が汚れてしまったり、破れるのが気になったりするかと思います。また、日中砂遊びをする間など弾性着衣を外すこともあると思います。
お子さんだけでなく、サポートしてくださる方々もストレスにならないようにケアを続けて頂ければと思います。
発育段階で重要な身体的・精神的な成長や新しい社会との関わり、周りとしっかりコミュニケーションをとって楽しく笑顔で過ごすことなど、それぞれをうまくバランスをとっていけるといいですね。
むくみは今後も継続的に、医師やセラピストたちと一緒に協力しながら、子さんに合わせた良い形でケアを続けて行きましょう。私たちも微力ながらサポートさせて頂きます。
私たちmedi社は、このような情報を発信し続けることで、原発性リンパ浮腫に対する関心や認知を高め、医療現場の方々や患者様、ご家族様が少しでも早く専門医やセラピストの元にたどり着くきっかけになればと思います。
この度はご協力ありがとうございました。
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