もう一度自由に歩きたい

Maria Bordonadoさん

象皮病のマリアさんを助けるために

1999年1月にマリアさんが初めてドイツにあるLympho-Opt クリニックに来た時は、スペインの自宅から救急車で運ばれ、彼女を入院させるために多くの人の介助が必要な状態でした。リンパ浮腫の中でも最も重症な状態と言われる象皮病を発症し、彼女の右ふくらはぎの太さは157.5㎝もあるため、自分自身では身動きが取れないほどでした。

象皮病の治療

マリアさんは6ヶ月間入院し、リンパドレナージなどの治療を受け、下肢だけで約86㎏も減少しました。その後も定期的な治療を受け、2014年に受診をする際にはスペインから飛行機を使ってドイツに来られるようになりました。
Lympho-Opt クリニックのDr.Schingaleは20年以上マリアさんの治療に携わっており、下肢の状態が改善した事だけでなく、自分でアイロンをかけたり身の回りの事が出来るようになった事を大変喜んでいます。
マリアさんは帰国後もご自身でしっかり状態を維持、管理し、2006年以降長期の入院治療を要する事無く経過しています。スペインの自宅でリンパドレナージの施術を受けることはできませんが、自身で多層包帯を巻いたり、空気式のマッサージ器を使用したり、弾性着衣を使用して素晴らしい状態を保っています。

10年間の寝たきり生活

マリアさんが初めて下肢の症状を感じたのは9歳の時でした。徐々に足と膝が太くなってきて、持っている靴が全て履けなくなりました。両親はいつか良くなると信じていましたが、むくみは良くなるどころかどんどん悪くなっていきました。いくつもの医療機関に受診しましたが、長い間診断がつかず、治療方法もありませんでした。マリアさんが学校を卒業し、家庭を持っ頃にはさらに状態が悪化し、ベッドから動けなくなり、10年以上ベッドから洗面所に行く程度しか歩く事ができず、限られた生活を強いられていました。同時に人前に出ることが怖くなり、長い間マリアさんは、彼女の事を理解しサポートしてくれる家族としか会う事ができませんでした。

ドイツからのサポート

1998年にスペインの医師がマリアさんの状態をインターネットで紹介したことにより、彼女の生活は転機を迎えました。この記事がメディ・スペインのマネージャーNatiさんの目に留まり、Natiさんは長年リンパ浮腫や脂肪浮腫の治療に携わり、専門クリニックを持っているドイツのDr.Schingaleにマリアさんの事を相談しました。 スペインの健康保険ではマリアさんがドイツで治療を受けるための費用を支払う事ができませんでしたが、彼女の事を聞いたメディ社がサポートを申し出ると共に、ドイツのテレビ取材によりマリアさんの事を知った多くの市民のみなさんからも多くの寄付がよせられました。 そしてついに1999年1月、全ての準備が整いマリアさんは自宅から救急車に乗り2000㎞近い距離を移動し、やっと治療が始まりました。 6カ月間の入院によるリンパドレナージ、IPC(間欠的空気式圧迫装置)、運動療法と弾性着衣による圧迫療法を受け、最後には再び歩く事が出来るようになりました。マリアさんのふくらはぎ周径は157.5㎝から52㎝まで減少しました。マリアさんの新しい人生の始まりです。

治療が成功したのはみなさんのおかげ

このような素晴らしい結果が得られたのは、主治医とセラピスト、外科医などの連携が上手く行ったおかげです。諸外国に比べ、リンパ浮腫治療が進んでいると言われるドイツ国内においてもリンパ浮腫治療の専門家はまだまだ不足しており、地域に数人しかいないところもあります。 治療により下肢から2.55リットルの水分を取り除く事ができ、マリアさんのふくらはぎはとても細くなり、近くのリンパ浮腫専門の外科医Dr.Wilhelmも驚いていました。マリアさんは自己管理への相当な努力と治療へ積極的に参加することで、このような素晴らしい結果を得て、良い状態を維持しています。マリアさんはメディ社がオーダーメイドで作成したパーツ毎に組み合わせ、履き重ねる弾性着衣を使っています。この弾性着衣はマリアさんの足の周りにしっかりとした壁を作ることで圧迫を与え、安定したサポートが得られると共に日々の着脱もしやすくなっています。

マリアさんの未来はとても明るい

マリアさんは自宅でセルフケアを行い、年に数回ドイツのクリニックに受診するだけの治療を行っているだけで十分なのか?Dr.Wilhelmは「私はマリアさんがご自身でこの治療結果を維持出来ると確信している。彼女は既に今までの経過でそれを証明している。さらに弾性着衣を着用する事で身体の形状ももっと改善するでしょう」とおっしゃっています。 リンパ浮腫治療に関連する全ての人々がマリアさんの幸運をお祈りしています。