子どもの成長と共に

佐藤君(仮名)

原発性リンパ浮腫-上肢リンパ浮腫-

原発性リンパ浮腫とたたかう患者様のご家族へのインタビュー、第2回目となる今回は1歳になったころからご縁のある佐藤君(仮名)のお母様にご協力いただき、圧迫療法を続けて行く上での色々なお話をお伺いすることができました。
(※個人情報保護のため、お名前は仮名とさせていただきます。ご了承ください。)


お子さんが原発性リンパ浮腫と診断されたのは何時ですか?

生まれてからすぐに「あれ?右手だけむくんでいる?」と気づいたのですが、その時はお腹にいた時の体勢とかで腫れているのかな?と思っていたので、しばらく様子を見ていたのですが、なかなか良くならなくて。
出産した産院の近くにある小児科で診てもらったのですが、よく分からないと言われ、今の病院にたどり着くまで大きい病院とかに行ったのですが、結局分からないまま1ヶ月が経ってしまいました。
その後、1ヶ月健診のために、今通院している病院の小児科に受診したのですが、その時も診断されませんでした。実際に原発性リンパ浮腫と診断されて、きちんと治療を受けられるまでに、まず色々な病院を受診して、たくさん検査して、ようやく最終的に診断され具体的治療を受けるまでに1年が過ぎてしまいました。


たくさんの病院に行って、検査をするのは大変でしたね。

そうです。訳も分からずあっちこっち連れていって、色んな検査をするので毎回ギャン泣きしていました。
痛いというより、怖いのだと思います。レントゲンとかCTとか、暗いところで冷たい台に寝かされて、そばにいてくれるはずの母親は検査室から出ていき、一人にされるのは怖かったと思います。
色々な病院を巡った結果、「大人って怖い」って思ってしまったのだと思います。

確かに、検査は大変ですよね。最初お会いした頃は体重を測ることも怖くて泣いておられましたね。
検査の数を少なくするためにも、出来るだけ早い段階で専門医に見ていただくことが大事ですね。

今、色々な治療やケアを受けておられる中で医師やセラピストから様々な情報を教えてもらっていると思いますが、それ以外にリンパ浮腫に関する情報はどこから、どのように集めておられますか?

リンパ浮腫と診断される前は、すごくたくさん検索していました。
診断されて、治療方法とかが決まってからは、同じリンパ浮腫の方がどのようにしているのか?とかSNSで発信している方の情報も少し見たりします。ただ、脚のリンパ浮腫の情報が多くて、うちの子は腕のリンパ浮腫なので、一概に同じようには考えられないなぁと思っています。


お子さんが圧迫療法(弾性着衣)を始められたのは何歳のころからですか?

1歳4か月でリンパ管の手術を受けた後からです。診断がつくまでは長かったのですが、その後はあっという間に治療が進みました。本当にラッキーでした。

むくみのケアを続ける上で大変なことや気を付けておられることを教えてください。

スリーブを付けるのはかなり慣れてきました。本人も最近はスリーブを着けるのに協力してくれて、腕をグッと力を入れて伸ばしてくれて助かっています。


ケアをしていて困っていることはありますか?

スリーブを着けること自体は困ってないのですが、冬場は乾燥のせいなのか、指の入れ方や力加減のせいなのか指の間が赤くなるのが気になります。
成長と共に自分でできることも増えて、例えば朝起きて、顔を洗って、ご飯を食べて、保育園の準備をしたり、手洗いや消毒をさせたりしていると、スリーブを着けるタイミングが分からなくなることがあります。
毎回着け外しさせることは難しいので、今後どうしようか悩んでいます。
それから、スリーブを着けている時に運動させなければいけないことは分かっているのですが、生地が分厚いので着けた瞬間から動かさなくなります。もう少し薄い生地のものがないですかね?

日常生活を自立させて行く中で、どの程度圧迫療法を取り入れていくかが難しいですね。様々な事情で、例えば短時間、弾性着衣を外してしまうこともあるかと思います。お互いにストレスを感じないようにバランスを取りながら、身体の機能を保って成長できるといいですね。
お子さんの小さい周径に合わせた着衣を作るためには製品の特性上、生地の厚みを薄くしていくことにどうしても限界があることは否めません。しかし、メーカーとして作るのは無理だ、できないと決めつけずに努力しなければいけませんね。貴重なご意見ありがとうございます。


お母様がメインでケアをなさっていると思いますが、ご家族や周りの方々からのサポートはありますか?

主人も積極的に着け外しを手伝ってくれますし、保育園の先生もサポートしてくださっています。
入園前に説明、相談して、遊ぶ時にはスリーブが着けられなくても、お昼寝の時には着けてもらっています。

最初に着衣を作らせていただいた時は原発性リンパ浮腫に対する弾性着衣の療養費が適応されていなかったと思います。治療・ケアを続ける上で行政からどのようなサポートがありましたか?

最初に作った時から市のこども医療費助成制度を使って、限度額を超えた金額が払い戻されました。なので、他の医療費と合わせて、結局全額返って来たと思います。出産後の手続きの一環で申請した医療証を使ってできました。
(*あくまでもこの方のお住まいの地域での例です。ご自身のお住まいの地域でも同様に可能かどうかにつきましては、保険窓口に直接お問い合わせください。)



インタビューを終えて(メディ・スタッフから)

原発性リンパ浮腫の治療やケアは大変ですが、行政から金銭的なサポートが得られるのはありがたいですね。
各自治体で行政からのサポートが異なりますが、まずはどのようなサポートが得られるのか聞いてみる、調べてみることが大事です。今後も主治医やセラピストさんと一緒にみなさんで協力しながらケアを続けていきましょう。

私たちmedi社は、このような情報を発信し続けることで、原発性リンパ浮腫に対する関心や認知を高め、医療現場の方々や患者様、ご家族様が少しでも早く専門医やセラピストの元にたどり着くきっかけになればと思います。 この度はご協力ありがとうございました。

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